ビビアント錠とエビスタ錠はどちらも閉経後の骨粗しょう症に使用する薬剤です。
ではこの2剤の違いは何でしょう?
説明できないあなたもこの記事を読めば大丈夫です!
では解説していきますー!
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ビビアント錠、エビスタ錠の用法の比較
通常、ラロキシフェン塩酸塩として、1日1回60mgを経口投与する。
どちらも1錠を1日1回服用で変わりないです。
もし切り替わっても服用する患者さんの飲み間違えも少ないでしょう。
服用タイミングは1日1回服用ですが、患者さんから食前と食後どちらでも良いのか?と質問を受けた事があります。
調べてみましたが食後だと両剤共にややCmaxとAUCが増加しますが、副作用が増強する程では無いので服用タイミングはどちらでも良いと思われます。
SERMって何?
ビビアント錠、エビスタ錠共にエストロゲン受容体に結合し、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM) として作動します。
女性ホルモンであるエストロゲンは骨の代謝に深く関わっています。
閉経後は女性ホルモンが減少し骨が脆くなり骨粗しょう症のリスクが上昇します。
では閉経後は女性ホルモンを補えば良いのでは?と薬剤師1年目の私は思いましたが・・・それは間違いでした。
女性ホルモンをただ補うだけでは血栓症が出来たり、乳がんのリスクが高くなるからです。
ビビアント錠とエビスタ錠はSERMとして働き、骨ではエストロゲンを増やし、逆に乳房等ではエストロゲンを増やしすぎないように働く薬なんです。
ビビアント錠、エビスタ錠の違いは?
そこで本題です。
この2剤の違いは何でしょうか?
答えは
ビビアント錠はエビスタ錠より骨折予防効果が高いお薬
ビビアント錠はエビスタ錠に比べ非椎体骨折の予防効果が44%高いと言うデータがあります。
その他ビビアント錠は骨折のリスクが高い人(喫煙、アルコール飲酒、骨折の既往、低骨密度等)でより効果的とされてます。
しかし「骨粗しょう症の予防と治療ガイドライン」での評価は同じとされていますので、そこまで気にする必要はなさそうです。
その他違いとするならエビスタ錠には後発医薬品(ジェネリック医薬品)が発売されていますが、ビビアント錠にはまだ後発医薬品がありません。
こういったお薬は長い期間続けて服用する必要があるため、お薬代が気になり服用中断されては元も子も無いので、金銭的に辛い場合はエビスタ錠のジェネリック医薬品を服用するのでも全然OKだと思います。
副作用は?
副作用としてほてりや肝機能障害がありますが、一番大事なのは血栓症です!!!
添付文書にも・・・
深部静脈血栓症、肺塞栓症、網膜静脈血栓症、表在性血栓性静脈炎があらわれることがあるので、下肢の疼痛・浮腫、突然の呼吸困難、息切れ、胸痛、急性視力障害等の症状が認められた場合には投与を中止すること。
服薬指導の際には必ず血栓症については説明するべきだと思います。
たまに病棟スタッフ等から「副作用で顎骨壊死があるから抜歯前に休薬するんですよね?」と聞かれますが、それはビスホスホネート系(ボナロンやアクトネル等)の骨粗しょう症治療薬です・・・(笑)
ですのでビビアント錠やエビスタ錠を服用患者さんを抜歯する際に休薬は不要です。
なぜ血栓症が起こる?
血栓症のメカニズムは女性ホルモン薬を服用すると,消化管から吸収され、門脈を経て肝内に取り込まれ、肝内エストロゲンは肝組織を刺激して凝固系を活性化するためだと思われます。
その他喫煙や肥満、アルコール等は血栓症のリスクを上昇させる事が知られているので、生活習慣等にも注意が必要です。
脱水症になると血栓が起こりやすくなるので、こまめに水分摂取を提案するのもいいかもしれないです。
寝たきりや長期不動時は中止する?
昔整形外科病棟で患者さんを診ている際に良く出会いました。
骨粗しょう症の患者さんで骨折をし手術のために入院。
持参薬を見ているとビビアント錠やエビスタ錠を服用していると・・・
ここでポイントです
ビビアント錠、エビスタ錠は長期不動、寝たきりの場合血栓症のリスクが高まるので中止する(エビスタ錠の場合は長期不動、寝たきり状態になる3日前に中止)
これを知らない薬剤師の先生は意外といますね。
では中止していつから服用するのか?ずっと中止しているのも骨粗しょう症の悪化に繋がるから服用したい所。
これが答えです。
ビビアント錠、エビスタ錠中止後、完全歩行になった状態で再開する。
日々のリハビリの具合とかをチェックし、ドクターに服用再開を提案しましょう♪
ドクターからは「おっ!ちゃんと患者さん診ていてくれてるね!」と評価が上がるかもしれないです。
併用注意をする薬剤は?
併用を注意する薬剤は閉経後の乳がん治療で使用される所謂アロマターゼ阻害薬のアリミデックス錠、フェマーラ錠、アロマシン錠です。
理由としてはビビアント錠やエビスタ錠のSERMと併用するとアロマターゼ阻害薬の効果が減弱する恐れがあります。
つまり乳がんの再発予防率が下がる恐れがあります。
もしアリミデックス等を服用している場合は他の骨粗しょう症治療薬(ビスホスホネート系薬剤やビタミンD3製剤等)に変更を提案すべきです。
まとめ
ビビアント錠とエビスタ錠は大きな違いはありませんが、細かな違いを理解し患者さんの質問に答えられるのがプロの薬剤師と思います。
私は服薬指導等でビビアント錠やエビスタ錠を服用している患者に会ったらまず血栓症のチェックを行います。
この薬の一番大事なのは血栓症のチェックです!
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通常、バゼドキシフェンとして、1日1回20mgを経口投与する。