うーん・・・名前は似てるけど微妙に違うんだよ。
名前が似ている小建中湯と大建中湯。
今回はこの2剤の違いや使い分けについて説明します。
contents
小建中湯とは
- 芍薬(シャクヤク)
- 桂皮(ケイヒ)
- 大棗(タイソウ)
- 甘草(カンゾウ)
- 生姜(ショウキョウ)
- 膠飴(コウイ)
小建中湯は桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)に膠飴(コウイ)を加えた処方です。
桂枝加芍薬湯よりさらに虚証の人に処方されるイメージですね。
膠飴はデンプンやイネ科のイネの種子等を糖化した(飴状に制した)もの。
漢方的に膠飴は滋養、緩和などの効能があり、体力低下・胃腸機能改善等に使用します。
小建中湯は生まれつきお腹が弱っている状態を改善する薬であり、小児の虚弱体質(風邪を引きやすい、下痢と便秘を繰り返していつもお腹を痛がる、アレルギー体質、体重が増えない、夜泣き等)に多く用います。
大人でも使用する場合があり、胃腸が弱く、神経質で、緊張するお腹が痛くなったり過敏性腸症候群の人等の腹痛に使ったりもします。
私のオススメは
小建中湯に有効成分を5種類をバランス良く配合した幸健生彩(こうけんせいさい)
下記の記事で詳細を解説していますのでチェック!
大建中湯とは
(Amazon等で大建中湯は市販されていない?・・・医療用薬品しか無い?)
- 山椒(サンショウ)
- 人参(ニンジン)
- 乾姜(カンキョウ)
- 膠飴(コウイ)
成分を見ると小建中湯と同じ成分は膠飴のみ。
生姜(ショウキョウ)と乾姜(カンキョウ)は同じショウガです。
では何が違うのでしょうか?
答えはその加工方法にあります。
生姜(ショウキョウ)は生のまま乾燥したもの、乾姜(カンキョウ)は蒸して乾燥したもの。
ショウガは蒸す事で有効成分が変化し、体を内部から温める効果が強くなります(ショウガを食べると体がポカポカするアレです)
大建中湯は外科手術後の腸閉塞に対する予防(治療)での有効性が広く認識され、現在では数多くの病院のクリニカルパス等で処方されている事かと思います。
下記リンクで大建中湯の論文が見れますので興味ある方はご覧ください。
大建中湯の消化管運動に対する作用と術後イレウス治療に対する有用性
大建中湯の消化管運動に対する作用およびイレウス治療に対する有用性について検討した. 方法: 意識下の雑種成犬4頭を用いて, 大建中湯投与前後の消化管運動をstrain gauge transducer法により測定した. さらに, xylocaineにより胃粘膜を麻酔した後に同量の大建中湯を投与した. 臨床的検討として, イレウスにて入院となった患者の在院日数を大建中湯投与群と非投与群で比較検討した. 結果: 大建中湯の投与後, 胃, 十二指腸, 空腸および回腸の運動亢進が観察された. 胃粘膜麻酔後には, これらの消化管運動亢進作用はまったく認められなかった. 臨床的検討では, 大建中湯投与群の在院日数は21.8±2.4日で非投与群は, 27.7±2.9日で両群間に有意の差を認めた. 結論: 大建中湯は, 粘膜刺激を介して, 強い上部消化管運動亢進作用を有する. この大建中湯の薬理作用および作用機序は, 臨床的にイレウス治療に対して十分応用価値があるものと考えられた.
大建中湯は腹部(特に臍周りの冷え)の改善に効果的。
お腹が冷えると腸の蠕動運動が低下し腹部膨満感を感じ、便秘になります。
一般的に便秘であればコーラックのような腸刺激剤である大黄を使用する事が多いのですが、こういった下剤を使いすぎると腹痛を感じたり、潜在的に冷えを伴う場合があります。
そういった症状がある方に大建中湯は効果的と言えるでしょう。
小建中湯と大建中湯の使い分け
小建中湯と大建中湯は「建中湯類」と称されます。
その他には小建中湯に黄耆(オウギ)を加え強壮作用をUPした建中湯類として「黄耆建中湯」があります。
黄耆建中湯は廃用症候群や虚弱体質のアトピー性皮膚炎等に使用します。
こちらの3剤は腹部の弱り方で使い方が異なります。
まとめると・・・
- 小建中湯⇒生まれつき胃腸が弱い場合
- 大建中湯⇒おなかが冷えて腹痛を訴える場合
- 黄耆建中湯⇒廃用症候群で体が弱っている場合
では生まれつき胃腸が虚弱で冷えもある場合はどうでしょうか?
答えは簡単です。
小建中湯と大建中湯を併用しちゃいましょう!(ハーフ&ハーフみたいな)
この併用は中建中湯って言われています。
小建中湯と大建中湯ぜんぜん違うんだね。
参考になりました!
漢方薬は似ている名前が多いからややこしいよね。
でも使い方を覚えると意外と重宝するんだ。
特に高齢者の方には漢方薬は副作用も少ないから使いやすくてオススメだよ!
腹部膨満感や胃腸の不調を訴える方は意外と多いです。
そんな場合に小建中湯や大建中湯を勧めてみてはいかがでしょうか?
その他注意点としてこちらの漢方薬は膠飴を含んでいるので糖尿病治療薬であるα-グルコシダーゼ阻害薬(アカルボースやボグリボース等)と併用すると放屁の副作用が多くなりがちなのでご注意を!
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小健中湯(しょうけんちゅうとう)と大建中湯(だいけんちゅうとう)ってありますよね?
あれって何が違うの?
大は小を兼ねるって事で大建中湯を選択しとけば問題ない?